「鈴木商店シンポジウム」開催について報告いたします。
2015.6.10.
鈴木商店記念館は、昨年(2014年)4月1日の開館以来、多くの関係者の方々のご支援・ご協力により鈴木商店に対する関心が高まったことから、30万人を超える来館者がありました。 |
[シンポジウム概要] |
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◇日時:2015年5月29日(金) |
16:00~ |
開場(名刺交換&交流) |
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17:30~19:20 |
シンポジウム |
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19:30~21:30 |
懇親会 |
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◇会場:日比谷図書文化館コンベンションホール |
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◇コンセプト:鈴木商店の再評価に向けて |
[記念(基調)講演] |
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官営八幡製鉄所の候補地であった大里の地に建設された「帝国麦酒」を始め関門地区に建設された鈴木商店工場群の煉瓦造施設は、2005年「門司赤煉瓦プレイス」として保存が決定し、帝国麦酒を引継いだサッポロビール九州工場の事務所棟は、「門司麦酒煉瓦館」として生まれ変わりました。 |
[パネルディスカッション] |
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① |
相生と鈴木商店 |
相生いきいきネット・松本 恵司氏 | |
明治末期まで寒漁村に過ぎなかった相生に鈴木商店が造船所を買収して進出、莫大な資本を投下して播磨造船所を一時は世界一の造船所に育てたのみならず、病院、学校、社宅、商店街など街づくりを進め、相生の町は鈴木商店によって育てられました。 |
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② |
金子直吉の生誕地、土佐・高知 |
高知県庁職員 西森 文明氏 | |
金子直吉の出身地・高知県吾川郡仁淀川町での勤務経験のある高知県職員で当記念館編集委員でもある同氏より、来年2016年は金子直吉生誕150年に当たることから金子直吉の偉業や考え方を若い世代に伝え、人材育成を図りたいと提案されました。さらに具体的な記念イベントや行事を企画したいと披露されました。 |
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③ |
金子直吉がお家再興の夢を賭けた羽幌炭砿 |
北海道羽幌町役場 財務課課長 三浦 義之氏 | |
鈴木商店絶頂期の大正7(1918)年に権益を取得し、鈴木破綻後、金子直吉がお家再興の夢を賭けて太陽曹達(太陽産業を経て現・太陽鉱工)により、昭和15(1940)年に開発に着手された羽幌炭砿は、ピーク時には連続して年産100万トンの出炭を記録。日本の高度経済成長に必要なエネルギーを供給して来たが、昭和45(1970)年閉山に追い込まれた。 |
[会場からの声] |
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パネルディスカッションに引き続き、会場の参加者からも鈴木商店に関連する様々な意見が寄せられました。一部をご紹介します。 |
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神戸市では2017年に開港150年記念事業を計画しており、鈴木商店記念館とのコラボレーションを検討したい。(神戸市の自治体ご担当者様) |
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「お家さん」の舞台公演はお陰さまでたいへん好評を博した。今後も地元神戸を題材にした舞台化を今後も考えていきたい。(兵庫県立ピッコロ劇団代表者様) |
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帝人は3年後の2018年に創立100周年を迎えるが、当社では毎年創立記念日の式典を通じて、当社が米沢の地でベンチャー企業として出発した原点を社員全員で想い起こしている。(帝人関係者様) |
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鈴木商店の資料がないのではなく、探していないだけではないか? |
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当校は鈴木よね刀自の寄付によって創立されたが、今後高校が統廃合を迎える中、ルーツを見直す企画をしたい。(現・神港高校関係者様) |
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当時は宝塚劇団も来るなど、羽幌町は炭砿とともに栄えた。そうした歴史を全国の人に知ってほしい。(羽幌炭砿同窓会実行委員会様) |
[新たな取り組み] |
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神戸開港150年記念事業への参画 ~鈴木商店本店跡地にモニュメント設置ほか~ |
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神戸大学と「鈴木商店研究」に関わる共同プロジェクト |
[秘蔵写真・映像公開] |
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当記念館には鈴木商店関係者、編集協力者より多くの貴重な資料のご提供を頂いており、そのうち下記の秘蔵写真や映像を公開させていただきました。 |
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お家さん・鈴木よねの若き日の写真 |
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金子直吉直筆の書、短冊 |
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金子直吉側近の西岡貞太郎に贈られた海軍大将・島村速雄直筆の書 |
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鈴木よね葬儀の記録映像 |
最後に辰巳会鈴木治雄会長の代理として太陽鉱工(株)代表取締役社長・鈴木一誠氏による結びの挨拶によりシンポジウムは閉会しました。
[懇親会] |
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シンポジウムに引き続いて開かれた懇親会は、(株)神戸製鋼所名誉顧問で当記念館編集特別協力者の熊本昌弘氏の発声により始まり、サッポロホールディングス、羽幌町役所より提供された景品福引の催し等があり参加者の交流の輪が広がりました。 |