「神戸発祥の総合商社の源流・鈴木商店を知る」講演会で、交通環境整備ネットワーク会員・神鉄サポータズくらぶ会員の小林善彦氏が講演されました。
2018.7.1.
昨年に引き続き、本年度も当記念館が神戸市に協力し「神戸発祥の総合商社の源流・鈴木商店を知る」と題する「講演会」並びに「勉強会」(金子直吉の書簡を題材にして鈴木商店の実像に迫ります)を各4回ずつ開催しますが、この度第1回講演会として交通環境整備ネットワーク会員・神鉄サポータズくらぶ会員の小林善彦氏が講演されましたのでご紹介します。
【小林善彦氏 講演概要】
■日時 : 平成30年6月30日(土) 14:00~15:00
■場所 : 神戸ポートオアシス5階 502会議室(神戸市中央区新港町5番2号)
■主催 : 神戸市(みなと総局 計画部 港湾計画課)
■演題 : 鈴木商店と鉄道事業「鈴木商店・鉄軌道への係わり ~ 企業と鉄軌道を計画し地域の発展を支えた ~ 」
【小林善彦氏プロフィール】
一般社団法人 交通環境整備ネットワーク会員、神鉄サポータズくらぶ会員として地域鉄道および沿線地域の活性化のための活動に従事。また、全国各地の鉄道を巡り、自他ともに認める鉄道マニアとしてわが国鉄道事業に対する造詣が深い。
鈴木商店の鉄道事業は、兵庫県但馬地区の鉱石等の運搬用鉱山鉄道「但馬軽便鉄道」および九州・筑豊の石炭運搬用鉄道「鞍手軽便鉄道」(大正初期に鈴木商店傘下の「帝国炭業」が経営)から始まりました。旅客輸送としての鉄道事業は、佐賀・久留米間に計画された「肥筑軌道」、山口県下関に運行された路面電車「山陽電気軌道」、朝鮮半島南部に敷設された「南朝鮮鉄道」等があります。さらに炭鉱事業と共に石炭運搬を担った北海道の「羽幌炭砿鉄道」と多彩な事業を展開していました。
講演会は、主催者(神戸市みなと総局 計画部 港湾計画課)・田中謙次係長の司会で始まり、小林氏からは鈴木商店が手掛けた次の鉄道それぞれの創設経緯・盛衰、同社が展開する諸事業と鉄道事業の関係、鉄道事業を通じた地域発展への貢献などを中心に解説がなされました。また、小林氏自身が各地で体験された鉄道に関する数々のエピソードも紹介されました。
・但馬軽便鉄道(兵庫県豊岡市) ・鞍手軽便鉄道(福岡県鞍手町)
・防石鉄道(山口県防府市) ・山陽電気軌道(山口県下関市)
・肥筑軌道(佐賀県佐賀市) ・羽幌炭砿鉄道(北海道羽幌町)
・神戸地下鉄道 ・阪神海岸鉄道
当日は、あらかじめ予約を申し込まれた70名余(関係者を含む)の方の参加をいただき、参加者は小林氏の時にユーモアを交えた長年の研究に裏打ちされた解説に熱心に聞き入り、大好評のうちに終了しました。
また、会場にはケーブルテレビ局・ジュビターテレコム(略称J:COM)が取材に訪れ、講演の様子を撮影されるなど、今回の講演会に対しメディアからも高い関心が寄せられていることが窺えました。
■第2回講演会は9月29日(土)14:00~15:00、相生市立歴史民俗資料館歴史講座講師・特定非営利活動法人「相生いきいきネット」相生映像アーカイブ担当・当記念館協力者の松本恵司氏による講演(演題:鈴木商店と造船事業)を予定しています。
■第1回勉強会(鈴木商店関係書簡から鈴木商店の実像に迫る)については8月25日(土)、14:00~15:30、当記念館の編集委員・金子直三氏による勉強会(テーマ:①東京ステーションホテルを立去るに臨んで、②柳田富士松の病状と死、③羽幌炭砿の件)を予定しています。
第2回講演会、第1回勉強会とも、申込開始時期など詳細が決定次第、改めてご案内させていただきますのでどうぞご期待下さい。
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