⑭大里製塩所
鈴木商店の製塩事業の一翼を担う
鈴木商店の製塩事業は、明治42(1909)年に東洋塩業(後・台湾塩業)を設立し、大正3(1914)年に大日本塩業を傘下に収めたことにより関東州塩、台湾塩を独占的に取り扱うまでに発展した。
鈴木商店は、国内にも再製塩工場の建設を進めた。その第一弾が明治43(1910)年に大里に建設した「大里再製塩工場」である。関東州ならびに台湾からの粗製塩を精製して、ウラジオ、南洋、支那向けに輸出。生産額は、明治45(1912)年の1,300万斤から数度の増設により大正5(1916)年には、2,000万斤まで増産した。
さらに分工場として大正7(1918)年には、日本金属彦島精錬所内に年産1,000万斤の再製塩工場を設けた。この工場は後に大日本塩業の経営となった。
しかし、その後塩の再製について、専売局による直営が決定したことから大正8(1919)年、大里再製塩工場は廃止されその使命を終えた。