⑦神戸製鋼所門司工場(現・神鋼メタルプロダクツ)
神戸製鋼所の非鉄金属部門への進出
明治38(1905)年に小林製鋼所を改組して設立した神戸製鋼所は、大里製糖所の支配人であった田宮嘉右衛門を支配人に据えることで経営を改善し、大正6(1917)年門司小森江に非鉄金属の工場として設立したのが同門司工場である。
設立当初は銅や黄銅の伸線工場として、また後に金子の助言に従う形でアルミニウムやマグネシウムの合金鋳物の国産化にも成功し、アルミニウムの需要拡大に伴い対岸の下関長府での工場建設にも繋がった。
昭和63(1988)年、神戸製鋼所の組織変更に伴い、同門司工場は、神鋼メタルプロダクツとして発足することになった。現在の生産品目は、銅・銅合金管、モールド、複合製品、熱交製品等旧門司工場からの伝統を継承している。
現存する工場施設は、鹿児島本線を挟み、当初からの施設群と昭和15(1940)年に増設された海側の建物群に分類されるが、戦前期からの施設を多く遺しており、当時の雰囲気を偲ぶことが出来る。