③日商プロパン石油
羽幌炭砿をルーツとし、大五商事の伝統を引継ぎ北海道全域にエネルギー事業を展開する
羽幌炭砿鉄道の商事部門として昭和35(1960)年に設立された大五商事は、昭和38(1963)年にガソリンスタンド経営を開始し「大五商事・羽幌砿給油所」を開設。昭和40(1965)年に羽幌炭砿鉄道(株)よりプロパン、石油事業が分離され「羽幌プロパン石油(株)」が分社化された。
昭和45(1970)年、羽幌炭砿鉄道が会社更生法を申請し、閉山が決まると昭和47(1972)年、羽幌プロパン石油と北海道 暖房炭(株)が合併し、日商岩井全額出資の「日商プロパン石油(株)」が誕生。本社を札幌に置き、札幌、旭川、留萌、羽幌、北見、帯広、函館のほか青森市に支店を設けた。
同社は、平成12 (2000)年に大阪ガスグループ会社となった日商LPガス(株)(旧・日商岩井石油ガス)の100%子会社に変わり、現在ではガス類、石油類の卸売のほか、オート ガススタンド事業(タクシー、トラックなどのLPガス車への燃料補給)を運営する。北海道全域に燃料センター22か所、LPガス充填工場10か所、オートガススタンド9か所、営業拠点として札幌市中央区北一条の本社の他青森を含め14支店を擁する中堅企業に発展した。
また、ガソリンスタンド経営も併営し、「日商プロパン石油羽幌給油所」を羽幌町に設けて羽幌プロパン石油時代から続いている昭和シェル石油のガソリンスタンドを運営している。
羽幌炭砿をルーツとし、羽幌プロパン石油を前身とする日商プロパン石油は、石炭から石油製品への転換に成功し北海道全域にネットワークを築いた。平成27(2015)年には羽幌プロパン石油創業から50年、羽幌炭砿鉄道設立から75年の節目を迎える。