③栄町通3丁目の鈴木商店(合名会社時代)
神戸栄町通3丁目は、金融・ビジネスの中心地
神戸・栄町通4丁目に拠点を設けた鈴木商店は明治35(1902)年、個人企業から合名会社に改組して「合名会社 鈴木商店」が誕生する。代表社員・鈴木よね、社員・金子直吉、柳田富士松の布陣で鈴木商店が始動する。合名会社を機に本店社屋を栄町通3丁目に移転した。
元々は横浜正金銀行・神戸支店として建てられた建物(明治13(1880)年)で、レンガ造り2階建ての洋風建築。(「松方・金子物語」より) その後同建物は、三菱合資(銀行部)(明治30(1897)年4月)、鴻池銀行・神戸支店(明治33(1900)年12月)を経て、明治37(1904)年4月1日より鈴木商店の新社屋となった。
なお横浜正金銀行は、これに先立つ明治27(1894)年、山口半六設計による神戸支店ビルを旧建物の向い側の栄町通3丁目27番地に建設し、移転営業している。
栄町通3丁目には、通りの両側に三十四銀行、三十八銀行、三井銀行、北浜銀行、横浜正金銀行、浪速銀行、日本貿易銀行等各銀行神戸支店、明治火災保険、帝国興信所、岡崎汽船など金融・ビジネスの中心地として栄えた。鈴木商店の両隣には、三十四、三十八銀行が、通りの向かいには、横浜正金銀行、岡崎汽船が建ち並び栄町通の中心を占めた。