⑨鈴木商店仁川出張所

所在地:京畿道仁川府税関構内(現在の大韓民国仁川(インチョン)特別市)

仁川は統一新羅の時代に景徳王(キョンドクワン)により、邵城県と名付けられた。その後、高麗時代に仁宗(1122年~1146年)により仁州とされ、1390年には慶源府とされ、李氏朝鮮時代の1413年に現在の仁川という名称になる。済物浦(チェルムポ)という 小さな漁村だったが,1883年には日朝修好条規により開港し、以降、京城(現・ソウル)の外港として発展する。日本統治時代の1910年に仁川府となり、中国と朝鮮を結ぶ海上交通の基地となった。大韓民国成立後の1949年に仁川市となる。

日本統治時代の税関行政機構は、1910年9月の「朝鮮総督府税関官制」によれば中央行政機構として朝鮮総督府司税局に関税課を置き、地方行政機構として4税関(仁川、釜山、新義州、羅津)、6税関支署、2税関出張所、19税関監視署を置いて旧韓末の税関行政機構をそのまま踏襲していた。 

鈴木商店仁川出張所は、仁川税関構内に置いた。同税関の建物は、数度の建て替えが行われたが、現存していない。旧税関に隣接して建てられた煉瓦造りの倉庫数棟が保存されている。

現在の仁川は、韓国の六広域市の一つ。 首都ソウルの西方30kmに位置し,仁川港はソウルの外港であり、ソウルの永登浦から京仁線に沿った工業地帯の一翼として機械,化学,繊維などの諸工業が発達した。

関連資料

  • 旧仁川税関跡
  • 仁川築港道路
  • 現在の仁川駅

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