⑩辰巳屋嘉兵衛
辰巳屋創業者は播州・姫路出身
所在地 大阪市南区心斎橋筋(現・中央区心斎橋筋)
播州姫路出身の「辰巳屋嘉兵衛」は、姫路特産のなめし革細工の煙草入れを大阪で商いをしていた。辰巳屋の商標はカネ辰と記したが、これが後年鈴木商店のカネタツの屋号の起源である。場所は心斎橋筋の現在大丸百貨店の東の方で、永く「びっくりぜんざい*」という甘党を喜ばす店のあった辺りだという。(柳田富士松伝)
同郷の松原藤助が嘉兵衛を頼って辰巳屋に務めたのは、藤助16歳の時で、後年辰巳屋の暖簾を引き継ぐ。宗家・辰巳屋が没落したため、藤助が実質辰巳屋の初代として暖簾を守った。
*びっくりぜんざい・・・昭和30年代、新世界(大阪市浪速区恵美須東)界隈で売り出されたどんぶりで供されたぜんざい。複数の店で売られたが、通天閣に近い「からさき食堂」の"びっくりぜんざい"の大看板が評判となった。その他新世界ジャンジャン横丁にも専門の店があったが、大丸百貨店近くの店舗については詳細不明。