⑮日本教育生命保険
巨匠・辰野金吾設計による赤レンガが特徴のレトロ建築
所在地:大阪市東区高麗橋3丁目(現・中央区高麗橋2-6-4)
明治29(1896)年に設立された日本教育保険は、明治33(1900)年鈴木商店が出資し、日本教育生命保険と改称。明治44(1911)年1月、代表取締役社長に、伯爵・柳原義光が就任し、大正生命保険と共に鈴木商店の保険事業の中核を成した。昭和23(1948)年解散し、同じ旧鈴木系の大正生命保険に包括移転された。
日本教育生命保険本社ビルは、明治45(1912)年、著名な建築家・辰野金吾設計による赤レンガと花崗岩などで構成される赤と白のコントラストが映え、100年を超えて今なお現役として活用されている。日本教育生命保険、大正生命保険、大中証券本社等オフィスビルとして使用された後、フレンチレストラン「シェ・ワダ高麗橋店」(平成20(2008)年に閉鎖)を経てレストラン・結婚式場「オペラド・メーヌ高麗橋」として再生、北浜の洋館として存在感を示している。
なお、辰野金吾設計の同建物は、「大阪教育生命保険ビル」として記録に残されているが、保険銀行時報社「本邦生命保険業史」(1933年9月)の"生命保険関係年表"には、「明治45(1912)年2月20日、日本教育生命本社新築(大阪市東区高麗橋三丁目)披露宴を催す」との記述があり、実際は「日本教育生命保険本社」であることが明らかである。
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