セルロイド
鈴木商店伝統の樟脳に由来するセルロイド事業
樟脳の川下展開としてプラスチックを製造
◆日本セルロイド人造絹糸(大日本セルロイドを経て現・ダイセル)
設立 明治41(1908)年
所在地 兵庫県・網干
◆大日本セルロイド(現・ダイセル)
設立 大正8(1919)年
所在地 本社:堺市 工場:兵庫県・網干、堺市
日本セルロイド人造絹糸は明治41(1908)年、鈴木商店、岩井商店、 三菱の共同出資により設立された。これは、樟脳事業の一貫としてセルロイドならびに人造絹糸工業化を目的にしたが、当初は専らセルロイド工業が主体であった。
大正8(1919)年、日本セルロイド人造絹糸は、セルロイド会社7社(堺セルロイド、大阪繊維工業、東京セルロイド、三国セルロイド、能登屋セルロイド、東洋セルロイド、十河セルロイド)と共同出資により大日本セルロイドを設立した。
この大日本セルロイドの三大株主は三井、岩井、鈴木が占めた。鈴木破綻後は岩井系企業として発展し、ダイセル(株)(昭和41(1966)年)、ダイセル化学工業(昭和54(1979)年)、(株)ダイセル(平成23(2011)年)と商号変更され今日に至っている。
なお、大日本セルロイドは昭和9(1934)年、フィルム事業を分社化し、富士写真フイルム(現・富士フイルム)を設立した。
また、鈴木商店が事業化を目指した人造絹糸については、東工業から分離独立した帝国人造絹糸(現帝人)がビスコース法により国産化に成功した。